住宅・建物の困った!お助けコラム
更新日: 2025.04.29

賃貸退去時のお風呂補修・費用負担はどうなる?借主と家主の責任分担

賃貸物件を退去する際、浴室の補修費用は誰が負担するのか、頭を悩ませている方も少なくないでしょう。
特に、浴槽の傷や汚れは、経年劣化なのか、入居者の責任なのか、判断に迷うケースも多いと思われます。
そこで今回は、賃貸物件退去時の浴室補修費用に関する責任分担について、具体的なケースを交えながら解説します。

賃貸物件退去時の費用負担

借主の負担となるケース

故意または過失による破損や、通常の使用を超える汚れなどが原因で浴室設備の修繕が必要になった場合、借主が費用を負担することになります。
例えば、重い物を落として浴槽にひびが入った場合や、長期間にわたる清掃不足で浴槽にカビや汚れが酷く付着している場合などが該当します。

ただし、負担する割合は、経年劣化の度合いなども考慮され、必ずしも全額負担とは限りません。
国土交通省のガイドラインでは、耐用年数などを考慮した減価償却が適用されるケースもあります。

家主の負担となるケース

経年劣化による自然損耗が原因で浴室設備の修繕が必要になった場合は、家主が費用を負担します。
例えば、浴槽の表面が経年劣化によって変色したり、ひび割れたりした場合などが該当します。
また、入居者が通常の使用方法をしていたにも関わらず、設備が故障した場合も家主負担となる可能性が高いです。

国土交通省ガイドラインの活用

賃貸物件の原状回復に関するトラブルを避けるために、国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が役立ちます。
このガイドラインは法的拘束力はありませんが、裁判でも参考にされることが多い重要な指針です。
このガイドラインでは、経年劣化と借主の責任による損傷を明確に区別しており、それぞれの負担割合についても示唆しています。
ガイドラインを理解することで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。

お風呂の補修費用と責任分担

浴槽の経年劣化と損傷

浴槽の寿命は、建物の構造や材質によって異なります。
一般的に、ユニットバスの耐用年数は建物の耐用年数とほぼ同じとされています。
経年劣化によって浴槽にヒビが入ったり、表面が剥がれたりした場合、家主の負担となる可能性が高いです。
一方、入居者の不注意で浴槽に傷がついた場合などは、借主の負担となる可能性があります。

浴室設備の補修費用相場

浴室設備の補修費用は、損傷の程度や使用する材料、工事の規模によって大きく異なります。
浴槽の交換費用は、数万円から数十万円と幅があります。
小さなキズや汚れの補修であれば数千円から数万円程度ですが、浴槽全体の交換となると高額になります。
具体的な費用は、業者に見積もりを取って検討することが大切です。

具体的な補修内容と費用例

・浴槽のひび割れ補修
ひび割れの程度によって、補修材による修復や、浴槽全体の交換が必要になります。
費用は数千円から数十万円。

・浴槽の汚れ清掃
通常の清掃では落ちない汚れは、専門業者に依頼する必要があります。
費用は数千円から数万円。

・浴槽の交換
浴槽が破損したり、経年劣化が著しい場合は交換が必要になります。
費用は数十万円から数百万円。

上記はあくまで例であり、実際の費用は物件の状態や工事内容によって異なります。

まとめ

賃貸物件の退去時における浴室補修費用は、経年劣化によるものか、入居者の過失によるものかで責任分担が大きく異なります。
国土交通省のガイドラインを参考に、借主と家主双方が責任を理解し、事前に確認しておくことがトラブル防止につながります。
費用相場は損傷の程度によって大きく異なり、数千円から数十万円、場合によっては数百万円かかる可能性もあります。

業者に見積もりを取り、費用と工事内容を検討することが重要です。
退去前に家主と現状を確認し、費用負担について合意しておくと安心です。
トラブルを避けるためには、入居時、退去時の双方で写真撮影を行い、記録を残しておくことも有効です。

鳥取県・島根県にお住まいの方で、補修を行いたいとお考えの方はお気軽に当社にご相談下さい。