住宅・建物の困った!お助けコラム
更新日: 2026.02.28

クロスの部分補修はどこまで可能?原状回復責任の範囲と判断基準を解説

賃貸物件を退去する際、壁紙(クロス)の状態はしばしば原状回復における費用の負担を巡るトラブルの原因となります。
入居中の生活で生じた傷や汚れが、退去時にどの程度まで賃借人の責任となるのか、また、破損箇所のみの補修で済むのか、それとも壁一面の張り替えが必要になるのかなど、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
今回は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などを参考に、クロス部分の原状回復における責任の所在と、補修が可能な範囲について解説します。

クロスの原状回復責任の所在

経年変化は貸主負担

賃借人の通常の居住や使用によって生じる自然な劣化や時間の経過による損耗(経年変化)については、賃借人に原状回復義務はありません。
これらは賃料に含まれるものと考えられており、貸主が負担すべき費用となります。
例えば、家具の設置跡やポスターを貼っていた跡、経年による日焼けなどは、基本的には賃借人の責任とはなりません。

通常損耗は借主義務なし

賃借人が通常の生活を送る上で避けられない損耗(通常損耗)についても、原則として賃借人の原状回復義務は生じません。
これは、賃貸物件を日常的に使用する中で自然に発生するものであり、貸主が負担すべきものとされています。

故意過失による毀損は借主負担

一方、賃借人の故意や過失、あるいは善管注意義務違反によって生じた損耗や毀損については、賃借人に原状回復義務が生じます。
これには、故意につけた落書き、不注意による大きな破れや傷、清掃を怠ったことによって拡大したカビやシミなどが含まれます。
通常の使用を超えるような損耗と判断された場合、その修繕費用は賃借人の負担となります。

クロス部分補修の範囲はどこまで可能か

毀損箇所含む一面補修が基本

クロスに毀損が生じた場合、補修は可能な限りその部分に限定することが基本ですが、補修箇所の色の違いが目立ってしまうという理由から、壁一面の張り替えが必要となることがあります。
このような場合、賃借人の負担対象は、原則として、毀損箇所を含む壁一面分までとされています。
これにより、部分的な補修では回復できない物件の美観を保ちつつ、賃借人の負担を過度に増やさないように配慮されています。

タバコやペットによる損耗は全面張替も

ただし、タバコのヤニによる広範囲な変色や臭い、あるいはペットの飼育による著しい損耗などが原因で、部屋全体に影響が及んでいると判断される場合は、壁一面ではなく、部屋全体のクロス張り替えが必要となることがあります。
特に、ペット禁止物件での飼育が発覚した場合などは、その影響から全面張り替えとなり、結果として賃借人の負担が部屋全体に及ぶケースも考えられます。

壁紙下地への影響は別途判断

壁紙そのものの損傷だけでなく、下地ボードにまで影響が及んでいるような深い傷や腐食が見られる場合、補修範囲は壁紙の張り替えに留まらず、下地の修繕も必要になることがあります。
この下地への影響については、損耗の程度や原因を考慮し、別途慎重に判断されることになります。

まとめ

賃貸物件のクロスに関する原状回復では、経年変化や通常損耗は貸主負担、故意や過失による損耗は借主負担となります。
補修範囲については、原則として損耗箇所を含む壁一面の張り替えが基本となりますが、タバコのヤニやペットによる影響が広範囲に及ぶ場合は、部屋全体の張り替えが必要となることもあります。
下地への影響なども含め、具体的な状況によって判断は異なります。
退去時のトラブルを避けるため、契約内容を事前に確認し、不明な点は管理会社等へ相談することが大切です。

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